2013年8月6日火曜日
芸大デザインNo.1OCHABI×ヌメロウーノ
ヌメロウーノ(NUMERO UNO)2013秋冬のシーズンブック
唐突で申し訳ありません、
講師の小野です。
あるとき、自分のデスクの上に、これがヒョイッと置いてありました。ファッションブランド、しかもメンズのブランドのようです。細長の封筒を開けると…
スリムな冊子が入っています。
これのページを開けると…
おっと、どこかで見たことのある
石膏台(モデルさんの左)、そして箱椅子(モデルさんの左後)…
キャンバス持ってる…F20号のキャンバス…この床の汚さは、油絵科のアトリエ…
どうやらこのシーズンブック、 掲載されている写真の全てがOCHABIで撮影された物のようです。
また箱椅子、イーゼル、回転台ですね…
美術予備校や美術大学にはこのような普段目にしないような物がそここに置いていあります。
ぱっと見何に使うか分からないかもしれませんので写真に写っている用具を解説します。
「箱椅子」は、木で出来た直方体の椅子のことで、置き方によって高さを変えることが出来る便利な椅子。デッサンなどで、目線の位置を調整できるという利点があります。ただ、スタッキング(重ねあわせ)が出来ないのと重いので、他ではあまりお目にかかることが少なくなって来ました。
「イーゼル」は、絵を立てて描くためのもの。高校の美術室などにも有るので、見たことはあると思います。デッサンや着彩などは、ほとんどこのイーゼルを使って描きます。
「回転台」は、知らない人も多いと思います。上の写真の右、コートを持ったモデルさんの後に2つ積み重ねているのが、回転台です。4本足でキャスターがついていて、上下の高さが調節でき、上面は合板がついています。この上で粘土の立体を制作します(塑造)。塑造は、全方位360度モチーフと制作物をぐるりと見回しながら、制作を進めていくのでその取り回しに困らないようにこのような形になっています。
「石膏台」とは、石膏デッサンを描くための台。台の上に石膏を置くのですが、その台が低いとそのモチーフを取り囲める人数が限られてしまします。多くの人と同じモチーフを共有するためにある程度の高さがつけられているのが特徴です。
ここからは、さらに余計な話ですが、油絵科のアトリエの床が汚いのは、油絵で使用する溶剤のせい。油絵具は、絵具を水ではなく油で溶くのですが、これの乾きが悪く、しかも粘ついていてホコリ等を集めやすい。油絵科のアトリエでは、油絵を描く-デッサンを描く-油絵を描く―デッサンを描くと交互にカリキュラムを進めていくので、溶剤が床に付く-木炭デッサンの粉末などが床に付く-溶剤が床につく―木炭デッサン…と汚れていく循環ができていて、しかも、この溶剤、乾燥すると相当強固で落ちにくい厄介者。時間がたつ毎に油絵科の床は汚れていきます。
イーゼル、箱椅子、石膏台、回転台など、OCHABIのアトリエにある用具類は使い込んだものが多く、 言い方は悪いですが多少なりとも薄汚れています。そんな物たちと、油絵科のアトリエを使用して、ファッションブランドが撮影を行う。普段ずっとそこを使用している人間からすると、なぜ好き好んでパリっと見せなければいけないものがこんなトコロで…と思いますが、撮影した方からするとその雰囲気が良いようで、どうもそこには、「リアリティー」という意識があるのだと推測しました。写真スタジオが薄汚れていてはクレームが付きます。置かれる小道具の類に、使用感、手垢のような物はついていないはずです。「商品」を見せるのにはクリーンの状況が好ましいのでしょうが、服は生活や生き方につながる。風雨、寒暖から体を守る役目があるので、あらゆる環境下に置かれる物です。そういった役目のものが全てクリーンな環境の中で見せては「リアリティー」に欠ける、ということでしょうか。
巻末にSpecial Thanks:OCHABIとありました。
もし、目撃したら是非手にとって見てください。床がチョー汚いです(笑)
Numero Uno
http://numerouno-tokyo.com/
最後に、
Numero Uno、意味は「ナンバー・ワン 」
オチャビも芸大デザインナンバー・ワン
ということで、タイトルに芸大デザインNo.1と入れてみました。
ではでは。
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