2013年3月1日金曜日

卒業制作展 真っ盛りー工芸編 その4(工芸ー9)

東京芸大の卒業作品展は終わり、現在は3月5日まで多摩美術大学工芸学科卒業制作展2013 が表参道にあるスパイラルガーデン(港区南青山5-6-23・地下鉄表参道駅からすぐ)で開かれています。
前期と後期に分かれていてガラス・陶・金属の学生が30数人づつ発表しています。
後期は3月1日~5日ですが、今回は前期の作品からいくつかの卒業制作を紹介して作者にいろいろ質問をして聞いてみました。
紹介する卒業生は4年前にOCHABIで学んで多摩美に行った先輩です。

林 ちひろ「私はあなたに恋をした」 (高さ1m12cm















Q:卒業おめでとうございます。これから作品についていろいろ聞いていきたいと思います。まずはこの作品タイトルが面白いと思いますが、その事から説明してください。
A:はい、私は動物が好きで、今までも動物を扱った作品を作っていました。それぞれの動物のしぐさや行動に魅力を感じています。
Q:この動物は?
A:はい、狼(おおかみ)です。3年生の時も一度作った事があります。狼はグループ行動をしますが、その仲間同士のコミュニケーションが面白いと思います。たとえば狼の「遠吠え」はテリトリーの主張であり、仲間同士のコミュニケーションでもあります。また「遠吠え」はペア同士の愛情表現だという説もあって、なかなか面白いなと思います。
なので、狼が月夜に吠えるイメージから月に恋した狼という物語を自分で作って形にしました。そしてこのタイトルになりました。月の形をありませんが、作品の台の形が月の名残があります。





















Q:なるほど、それでこのタイトルが理解しました。 金属の加工の技法は?
A:はい、材料は1,5mm2mm厚の銅板を鍛金(金属を金鎚などの道具を使ってたたいて加工する技術)技法で作りました。パーツごとに作って、溶接して組あげますがなかなか思うようにいかなくて苦労しました。

















Q:卒業後の進路は?
A:はい、多摩美の大学院に合格したので、あと2年間は在学します。その2年間は、引き続き動物をテーマに制作する予定ですが、自分の考えている世界観を大事に作品に活かせたらと思っています。
Q:林さんにとって金属の魅力とは何でしょうか?
A:難しい質問ですね。金属自体は硬い素材ですが、それが柔らかくも出来、いろいろな表情を出せる素材としておもしろいところだと思います。




















はい、ありがとうございました。これからの大学院での作品が楽しみですね。頑張ってください。
                 
工芸科 主任  藤田政利

御茶の水美術学院  工芸コース http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/G00002/