鞴と書いて何と読みますか? 「ふいご」と読みます。
鞴とは昔の金属の精鉄や加工には欠くことのできない、火をおこすための道具です。そして旧暦の十一月八日には、その鞴を祀って一年の火の安全を祈願して全国的に、鍛冶屋、刀工、鋳物師などが仕事を休んで、「鞴祭り」を行いました。
そして、芸大や美大でも工芸科の中で特に火を扱う専攻(特に金属)では、同じように11月8日の日に「鞴祭り」を行います。
火床には鞴やお神酒をはじめ、鯛や昆布・白米・ミカンなどをしきたり通りに置いて、神主と神子(みこ)さんに扮した学生が、祝詞(のりと)を読み上げ、榊を献上します。
そして、その厳粛な行事のあとは雰囲気を一変し、宴となり教授と学生がごちそうをいただき和気あいあいに交流、時には演芸も飛び出して工芸科としては一年で一番の大きな和やかな楽しい行事です。
工芸の世界ではいろいろ不思議なことやおもしろい事が多いですね。
下の写真は先日行われた多摩美術大学工芸学科の鞴祭でのお供えです。