藝大の木彫室 |
1年を通して一番活発になれる今日この頃、大学では作品作りをみんなスタートさせて、アトリエはなかなか凄い事になっています。特に彫刻は石や木などの素材を注文して作業場に置いてみない事には何も始まりません。そして、素材は買い付けたままの状態が一番でかいので、みんながこぞって素材を並べるこの時期のアトリエは迫力が違います。
これは僕が学部生の時に作った作品のプロセスです。
木彫をする時には“原木”と言って丸太の状態のものを使います。その理由は、一本から掘り出す量が大きい方が作品の構成を考えやすいことや、後にもお話ししますが“値段”にあります。大学では材料費は基本すべて自分持ちですから、かなり重要な問題です。
先日、木の買い付けに行ってきたので、様子をお見せします。
材木屋さんは色々なところにあります。例えば東京都江東区の“木場”は材木が集まる場所として昔から有名ですね。しかし、彫刻で使う太くて大きい原木を扱っているお店は、実はなかなかありません。今回は、千葉県柏市にある材木屋さんにお邪魔しました。
カットされた木が沢山ありますね。これらは大抵、豪華な家具になります。
原木置場 |
彫刻に使われる木は主に良いとされる、クスノキ、ヒノキ、カヤなどがあります。どんな木でも彫刻することはできますが、木は硬さや繊維の強さ、密度などによって彫りやすさ、保存性が大きく異なるため“良い”とされているものを使うのが無難です。桐箪笥で有名な“桐”はとっても軽く、空気の透過性に優れ(湿気に強い)おまけに燃えにくいという理由から、箪笥に重宝されるのだそうです。そのように木の特性と用途はとても密接です。
彫刻にとって素材は形を決める大切な要素であり、作り手の表現にとって最適なものを探すことがとても大切です。特に個体差の出やすい自然物である石や木は自分の足で買い付けにいくことから制作が始まるのです。
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OCHABI彫刻科
http://gakuin.ochabi.ac.jp/view/F00003/
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