【OCHABI彫刻科 卒業生インタビュー】
こんにちは。彫刻科講師の北山です。
OCHABI彫刻科では春期講習前期最後の課題で、モデル首像を制作しました。それにあたり、今回はモデルとして今年現役芸大彫刻科二年生になる亀谷さつきさんと、実技デモンストレーターとして今年芸大を卒業し、大学院一年生になる仲間一晃くんに来てもらいました。2人ともOCHABI卒業生です。
亀谷さんは去年、見事に現役で芸大に合格しました。いつもクレバーに課題に答える学生で、特に自画像や自刻像などでは、自分のこだわりや特徴を活かした実技が印象的でした。モデルとして新鮮な魅力があると思い、来てもらいました。
亀谷さんの自刻像
仲間くんの作品(一浪) |
一方、仲間くんは、僕が講師として関わった初めての学生で、その年に合格しました(一浪)。出会った時には既に上手でしたが、特に首像が得意だったように記憶しています。そして、後にも出てきますが、大学の卒業制作が様々なモデルを作った首像の群像で、受験生の時よりもさらに「上手い!」と思わされたので、デモストとしてお呼びした訳です。
せっかくの機会なので、受験時代の事や大学の事など、彫刻科にまつわるお話をインタビュー形式でお聞きしました。
いま彫刻科で受験をしている方々、また、これから受験をなさる人達、科の選択に迷っている方にとっても、参考になるのではないかと思います。是非読んでみて下さい。
北山(以下K):こんにちは!今日は2人ともお疲れ様でした。ではさっそくですが、久々にOCHABIに来てどうでしたか?
仲間:がむしゃらだった受験時代を思い出しました。(デモストをして)自分の中で変わっていることや変わってないことを感じることができました。受験時代にできなかった作り方が出来ていたり、試験の日のことなどを思い出したりしました。 K:なるほど。本当に仲間くんは上手だったね。粗付けも見事で、とにかく粘土の扱いが上手いなあと思いました。亀谷さんの言うとおり、受験時代よりも全てにおいて格段に質が上がっていた。これは実はなかなかできる事じゃないです。大学に入ってからの探究が伺えます。 仲間くんのデモスト作品
別の角度から
彫刻に目を向けたきっかけ 基礎科で「彫刻」という選択肢に気付く
K:では、2人がOCHABIに来るようになったきっかけや、その中で彫刻を選んだきっかけを教えて下さい。
K:どういうこと?
仲間:なんとなく課題に実感が持てなくて。
K:なるほど。
仲間:そんなときに、基礎科の課題でウサギの塑造をやって、しっくりきた。粘土の課題が楽しくて彫刻に興味を持ちました。というか、デザイン科以外の選択肢に気付きました。
K:そうだよね。彫刻科なんてあること自体を知らないもんね。知り合いに彫刻家とかいないし。
亀谷:そうですね。
K:亀谷さんはどうですか?
亀谷:小さい頃から美術の方向をめざしていました。美大受験については中学生の時に、友達からOCHABIを教えてもらって、中学生の高校受験をしないコースに通いました。そこでは、「ただ習ってるよ」という感じでした。
K:小さいころから美術に決めていたんですね。一途!すごいなあ。彫刻科が具体的に目標になったのはなぜ?
亀谷:ちょっと長くなるけど…当時は「ムサ美の空デ」にいきたかったんです。インテリアデザインに興味があったんですけど、高1の時に基礎科の粘土課題で、靴を作ったことがきっかけとなって、立体表現に興味がわきました。それで彫刻科という選択肢に、初めて気付いちゃった。でも、一年くらいずっと迷ってたんですよ。二年生になって、「基礎部強化コース」でデザイン科と彫刻科に参加して課題を体験して迷わず彫刻科に決めました。「これだな!」って。
K:二人とも彫刻科の塑造課題に実感があったんですね。自分も、実は2人と同じ。最初はデザイン科を志望していて、基礎科に通ってた。高校2年生までの間に、本当に色々な課題をやって、美術を知らなかった自分にとってとても刺激になったのを覚えています。その中で自分がやりたいこととデザインをすることの違いに気づいたんだよね。僕は基礎科でやった自刻像でビビっときました。
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