その際に彫刻科では合格者数名に「一年を振り返って」と題してインタビューしました。
今年一浪の末、見事第一志望である東京芸術大学彫刻科合格を勝ち取った白井雪音さん。
持前の立体に対するセンスは現役生の時から印象的でした。
ただ、制作時の苦手意識などが足かせとなり、実力を発揮できないことがありました。
現役時は1次合格ならず、大変悔しい思いをしました。
白井さんがどのように合格まで自分を持って行ったのか気になるところです。
では、インタビューを見ていきましょう。
講師 : まず単刀直入に、昨年1年間で最も印象的だった実技は何ですか?
白井さん(以下S) : 石膏デッサンは、2学期に鉛筆でヘルメスを描いた時に全体を見ることができて、自信が付きました。何でそれが変化につながったのかはよくわからないんですが…。
素描(※1)は大体楽しく取り組めました。塑造(※2)の模刻(※3)は苦手なままだったけど、
作っているのがつらくない課題は常に楽しく取り組めました。
石膏デッサン(鉛筆)
講師 : 確かに、白井さんは楽しめるかどうかにかかっていた感じがします。特に自信が無い時は、その通り作品もそうなっていました。楽しんで作った作品は、作者が楽しんでいることが見ている人に最初に伝わります。オチャビでは土日に公開講習を開設していますが、白井さんはどのように活用しましたか?
S : 日曜の芸大石膏デッサン講習で、鉛筆で石膏描いたりしていたのがよかったです。木炭より気が楽にできます。
講師 : 白井さんは鉛筆でデッサンすることが肌に合っていたのでしょうね。 では芸大に合格にするにあたって特別に努力したことや、実感はありますか?
S : あまり考えてはやってなかったですが、失敗を気にしないように、切り替えを大切していました。楽しめない課題もあったけど、入直で楽しむことを意識して、苦手克服が出来ました。入直に作った自刻像でこれは行けるかなって思いました。
講師 : 入直では白井さん、かなり安定感が出ていましたね。もちろんすべてうまくいっていたわけではないですが、くよくよしていないのが伝わってきました。良くなかった次の日は良い作品を!という気概を感じていました。そして白井さんが言うように、とにかく直前の自刻像は貫禄がありました。
入直の自刻像
浪人中は、現実に直面することで、できないことばかりに目が行き深刻になってしまう事が多いと思います。白井さんはそこで、とにかく自分が楽しむことを大切にしたことがわかります。現役の時から作品を作るのが人一倍好きな学生でした。自分が本当にやりたいことと受験の間で、手ごたえを大切にしながら、自分を乗せていくことができたのが合格につながったのでしょう。
インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。
大学での生活、制作、頑張ってください!
※1 素描:画用紙に、鉛筆やコンテを使って描くデッサン課題
※2 塑造:水粘土を使って、立体作品を作る課題
※3 模刻:石膏像と同じものを粘土で作る塑造課題
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